ほぼ日刊イトイ新聞 - 目次
3/6のコラム。響いた。
「人をばかにしちゃいけない」というのは、
よく言われることで、これはもう、
まったくもってその通りなのです。
人をばかにしていいか悪いか、という
倫理の問題だけではなく、
人をばかにしてトクかソンかという
損得の問題だけでもなく、
人をばかにして気持ちがいいかどうか、という
快不快の問題だけでもなく、
もっと大きな次元で、どーんと言えるんだと思います。
「人をばかにしちゃいけない」んです。
で、その「人」のなかには、
つい忘れられがちな一人がおりましてね。
それが、「わたし」なんですね。
「わたしをばかにしちゃいけない」んですよね。
あんがい、ぼくらは「わたし」をばかにしてます。
どうせ、こんなもんだろう、と、
高をくくって見ていたりするものです。
ぼくも、そういうところがあります。
「わたし」が、ばかにされてるものだから、
ぐずぐずになっちゃうんですよね。
おそらく、部屋がちらかるのも、禁煙ができないのも、
朝起きられないのも、ダイエットに成功しないのも、
じぶんで、「わたし」をなめてるからだと思うんです。
ぼく自身のことを振り返ってみても、
なにかがうまく行ったときというのは、
じぶんのことを「ばかにしなかった」ときでした。
ずいぶん苦しんだ禁煙にしても、
「どうせ、おまえにはできないんだ」とは、
思わなかったからできた、と言えます。